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コラム

2019.04.26
設立コラム 2019年4月23日 個人事業者と法人の違い~給与所得控除とは~

前文
 岡崎を中心に創業サポートを行っている宮島税理士事務所です。
今回は、給与所得控除について個人事業主と同族法人企業経営者(社長)の税負担比較の観点により、簡単に説明させて頂きます。
 給与所得控除とはどういうものでしょうか。サラリーマンの方は給与収入そのものが税金対象(所得)だと思っている方が多いですが、実際は給与収入から給与所得控除(概算経費)を引いた金額が所得(税金)の対象になります。給与所得控除を認められる理由は、サラリーマンの方も打ち合わせ・書籍等で経費を使うので、そういうものを概算で経費として認める制度です。
  ①給与収入 300万円 ②給与所得控除 108万円 給与所得192万円(①-②)
  ①給与収入 400万円 ②給与所得控除 134万円 給与所得266万円(①-②)
  ①給与収入 500万円 ②給与所得控除 154万円 給与所得346万円(①-②)

 今回は、さらに給与所得控除の中でも、特定支出控除についてさらに詳しく説明させて頂きます

 

 

【サラリーマンが知って得する特定支出控除】

サラリーマンの方でも文具など仕事のために自己負担する費用がある場合、これを考慮して一定の金額を控除する制度があります。この制度を「給与所得控除」といい、その額は収入金額に応じて決められています。しかし、それ以上に費用の支出がある場合には「特定支出控除」を利用することができます。特定支出の範囲は「通勤に必要な費用」「転勤の際にかかる費用」「仕事に関する研修を受けるための費用」「仕事に必要な資格を取得するための費用」「単身赴任などの場合、自宅に帰るための費用」「仕事に関連する書籍や衣服、接待などのための勤務必要経費」となります。最後の勤務必要経費の限度額は65万円です。これらの合計金額が給与所得控除額の半分を超えるときは、確定申告による恩恵を受けることができます。例えば年収500万円の人の場合、給与所得控除額は154万円です。そして特定支出の合計金額が100万円だったとすると、100万円から154万円の2分の1である77万円を引いた23万円が特定支出控除額となります。なお、確定申告の際には特定支出に関する明細書や給与支払者の証明書などを添付する必要があります。貴重な時間を割いて仕事に必要な資格を取得するような人にとっては、それに費やす金額もかなりの負担となるため、この制度を有効に活用できるといいですね。

【個人事業者と同族経営者の役員給与の最大の違いとは】

個人事業主と同族経営者の役員給与の最大の違いは、個人事業主は、事業所得が増加しても、青色申告控除は最大65万円で一定なのに対し、役員給与は、給与収入が増加すると給与所得控除(サラリーマンの概算経費金額)が収入に応じて増加する点です。(平成28年度 給与1,200万円超 上限230万円 平成29年度 給与1,000万円超 上限220万円 令和2年は850万円超 上限185万円)利益(所得)が見込める場合、個人事業主ではなく法人を考える一つの理由は、給与所得控除を上手く活用して、節税を図りたい思いがあります。

最後に、個人事業者と法人の選択は上記の給与所得控除以外にも様々な観点について検討する必要があります。個人事業者(法人成りを含む)、法人との事業選択等でご質問のある方は、お気軽に弊事務所までご連絡ください。

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