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愛知県岡崎市にあります宮島税理士事務所です。
弊事務所では、西三河地域(岡崎市)を中心に、会社設立や創業を目指す方のお手伝いをさせていただいております。
さて、起業後に経営が軌道に乗ってくると、会社経営は役員のみのマンパワーでは足りない状態となり、従業員の採用が必要となる場合があります。
今回のコラムでは、人材雇用に関する税金上の特典制度について述べたいと思います。
賃上げと社員教育をすると税額控除に
「新たな人材が欲しいところですが、業界全体が人手不足で今すぐに人を増やすことは難しい状況です。そのため会社としては、従業員教育に力を入れて生産性を向上させつつ、徐々に新たな人材を確保していけたらと考えています。そこで、このような経営強化を支援してくれる税制などがあれば活用を検討したいため教えていただけないでしょうか」というご質問がありましたので、改正のあった所得拡大促進税制をご紹介いたします。
中小企業者等では「給与総額が前年度以上」で「継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加」した場合、給与等支給総額の前年度増価額の15%の税額が控除されます。また継続雇用者給与等支給額が対前年度比で2.5%以上増加しており「当期の教育訓練費が対前年度比10%以上増加」または「中小企業等経営強化法による経営力向上の認定を受け経営力向上が確実になされている」といった要件のいずれかを満たす場合には、25%の税額が控除されます。ただし税額控除の上限はいずれも法人税額の20%になります。例えば25%の税額控除の要件を満し今期の給与等支給総額が1,500万円、前期が1,200万円で法人税が250万円の場合、対前年給与等増加額300万円の25%である75万円が税額控除の対象となりますが、上限が法人税額の20%になるため税額控除額は250万円の20%である50万円になります。
大企業と中小企業者とでは要件が異なりますが、個人事業主・法人ともに適用できる制度となっています。
最後に
この制度は、安倍政権が掲げる経済政策(アベノミクス)の一環として、企業の賃上げの促進を図るために設けられたものです。従業員の採用や給与の増額に取り組み、結果として人材確保や業績向上を目指す経営者の方にとっては、大変メリットのある制度であるといえます。
従業員の採用をお考えの方や、雇用に関する税制についてご質問等のある方は、弊事務所までお気軽にご相談下さい。