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愛知県岡崎市にあります宮島税理士事務所です。
弊事務所では、西三河地域(岡崎市)を中心に、会社設立や創業を目指す方のお手伝いをさせていただいております。
さて、創業された方々にとって、忘れてはならない業務の1つに、「確定申告」があります。確定申告書の作成は煩雑であるため、通常は税理士に依頼する場合が多いと思います。税理士に依頼している場合、確定申告は申告期限内に確実に終えることができます。しかし、自分で確定申告を行っている方の場合、日々の業務に追われ、ついうっかり確定申告を忘れてしまい、申告期限を過ぎてしまう可能性があります。
今回のコラムでは、万が一、期限内に確定申告をしなかった場合どうなるのか、個人事業主の確定申告を中心に述べたいと思います。(尚、法人の場合もほぼ同様です。)
確定申告を忘れるとどうなるの?
個人の確定申告は、前年分の所得金額等を翌年2月16日から3月15日までに申告します。では確定申告を忘れて、この期間内に申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか。
期間内の申告忘れには「還付申告」と「期限後申告」の2つがあります。サラリーマンのように会社が年末調整を行い、医療費控除などのように年末調整の処理ができない税金を還付してもらう「還付申告」であれば、5年さかのぼって申告ができます。一方、個人事業主が確定申告を忘れたといったケースは「期限後申告」になります。この場合は本来納めなければならない税金の他に無申告加算税や延滞税がかかります。無申告加算税は原則として納付すべき税の15%(一定以上は20%)が課されます。なお、自主的に期限後申告をした場合は、無申告加算税が5%に軽減されます。また何かの手違いなどでうっかり申告を忘れていたような場合には、無申告加算税が課されないこともあります。そのためには、期限後1カ月以内に自主的に申告が行われていること。納付すべき税金を法定納期限までに納付(口座振替の場合は期限後申告を提出した日まで)していること。過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されていないこと。さらに過去5年以内に無申告加算税が免除になるこの制度を使っていないこと。などの要件を満す必要があります。
(参考)
☆法人の場合
法人で二期連続で期限後申告をすると、青色申告が取り消されます。
青色申告は、様々な税制上の優遇措置を受けられる制度で、青色申告を取り消されると、欠損金の繰越控除(=赤字を将来の黒字と相殺できる制度。例えば、今期300万円の赤字となった場合、その赤字の額を翌年に繰り越すことができる。翌年500万円の黒字となった場合、課税所得は500万円-300万円=200万円となり、税負担が軽くなる。)や、特別な減価償却(取得価額が30万円未満の場合は全額経費など)が使えなくなり、かなりの打撃となります。
最後に
確定申告は、個人事業主や法人にとって、1年間の所得を申告し、納税額を決定する非常に重要な手続きです。そのため、期限内に申告をしなかった場合には、様々なペナルティが課されることになります。また、申告期限を過ぎるほど徴税額が増えていくため、期限内に忘れずに提出できるよう、日頃から注意しておくことが大切です。
確定申告業務についてお困りの方は、弊事務所までお気軽にご連絡下さい。